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ガラパゴス諸島の観光システム

 エクアドル本土から太平洋を隔てておよそ 1000km西に点在するガラパゴス諸島は最初におよそ600万年前の海底火山の活動によって東部地区が誕生しました。その後、大きく分けて2回の噴火で中央部、その後西部が生まれ、現在の諸島が形成されました。

ガラパゴス諸島は13の大きな島々と6つのより小さな島、そして無数の小島でなりたっていて、すべてがエクアドル共和国の国立公園に指定されています。1835年、イギリス人チャールズ・ダーウィンも進化論を記すきっかけにもなったこの自然の「生命の研究所」ガラパゴス諸島を訪れました。

多くの生物が大陸とは違う進化を遂げており、人間のことは捕食者として認識をしていないので今日でも人間を恐れることはありません。ガラパゴス諸島が次世代に残すべき地球の財産として、どのように守られているのか、その管理手法についてご紹介します。


ガラパゴス観光の成り立ち


ガラパゴス諸島に商業目的の観光が始まったのは1969年のことです。諸外国からのガラパゴス観光待望論に応えて当時のエクアドルの旅行会社2社が着手したのが最初とされています。
観光船の第一号は「LINA A(リナA)号」と呼ばれ、現在と同様に宿泊をしながら諸島内を巡ることができる設備を備えていました。船内で宿泊しながら諸島内を巡る観光スタイルは、広大で宿泊施設の少ないガラパゴス諸島を効率良く観光ができるスタンダードモデルとして定着しています。当時はまだ秘境と考えられていたガラパゴスにも観光の門戸が開かれたことで、待ちわびた人々が世界中から訪れることが可能になりました。観光統計では、観光元年の翌年にあたる1970年の1年間にガラパゴス諸島を訪れた正式入島者数は4,579名であったと記録されています。ガラパゴスで実践されてきた観光システムは、エコツアーの成功モデル、エコツーリズムの先進モデルとして近年世界の注目を集めていますが、ガラパゴス観光が始まった当時は観光産業を規制する制度はまだ確立していませんでした。自然保護のための管理計画が具体的に施策されたのは1975年のことで、諸島内に国立公園管理事務所が設立された翌年の事です。現在使用されているものは1984年に発表された基本計画が基礎になっていて、原則は施策当時と変わらない点が、ガラパゴスの観光モデルが世界のエコツアーの先駆けと評価を受ける理由です。

観光システムの現状(記載の内容は2008年9月現在)

1.入島管理

 
■ガラパゴスへ出発まで
INGALA(ガラパゴス開発庁)入島管理
ガラパゴス諸島への来島者は、本土を離れる前に空港内のINGALA(ガラパゴス開発庁)カウンターで一人当たりUS$10(2008年9月現在)を支払い、入島申請と共に入島管理カードと滞在IDカードの発行をしてもらいます。この新制度は2008年3月から導入されました。
空港の申請手続きには長時間を要するので、出発の3時間前には空港に到着するように案内されています。クルーズ参加者は事前に各クルーズ会社が事前申請を行っているので費用をクルーズ代金と一緒に先払いして依頼した方が無難です。

SICGAL(ガラパゴス特別検疫システム)荷物検疫
空港ではガラパゴスに持ち込む荷物をSICGALにより本土では預け入れ荷物、ガラパゴスでは手荷物の検査を受けます。
国内線に預ける荷物は、SICGALの検査済みタグが無いと預かってもらえません。

※空港では、INGALA→SICGAL→国内線搭乗受付カウンターの順でそれぞれのカウンターが隣り合っているので迷うことは無いでしょう。
 
■ガラパゴスへ到着
空の玄関バルトラ空港又は、サンクリストバル空港に到着すると、INGALA→国立公園カウンター→SICGALカウンターの順で手続きを済ませます。

INGALAカウンターで入島管理カードを提出して入島管理、国立公園カウンターで入島料の支払い、SICGALカウンターで手荷物検疫の手順で進みます。

 入島者管理は、出発前にINGALAカウンターで交付を受けた入島カードに必要事項を記入して提出することが義務付けられています。予め飛行機の中で必要事項の記入を済ませて用意をしておきましょう。隣のカウンターでは、入島料の徴収が行われます。ガラパゴス諸島を訪れる12歳以上の外国人旅行者は、ガラパゴスへの到着時に一人当たりUS$100(2008年9月現在)を支払います。現金しか通用しないので、予め用意しておく必要があります。入島料は諸島内の8つの関係機関に配分され、全額自然環境の保全、インフラ整備に利用されます。前述以外の子供やエクアドル在住外国人、エクアドル人別に、それぞれ入島税が定められています。

※入島料の経済効果
 入島料の経済効果は大きく、2006年の統計では1年間にガラパゴスを訪れた観光客の総数はおよそ15万人(約67%が外国籍、33%がエクアドル国籍)を数えました。入島料がもたらす経済的な貢献度は大きく、外国籍入島者数だけでも全員が大人と仮定した場合の総額は単純計算で約1005万ドル(およそ11億550万円)にも達し、ガラパゴスの継続的保護・保全のための大きな支えになっています。
 ガラパゴス特別検疫システム(SICGAL)に基づく手荷物検査を済ませると、全ての手続きが終了します。持ち込み規制に抵触する果物や草花の種などは没収されますのでお気をつけください。


キト空港のINGALA(左)&SICGALカウンター

滞在IDカード

SICGAL検査風景

SICGAL検疫済みタグ

キト空港SICGAL(左)&国内線カウンター

バルトラ空港INGALA入島管理

バルトラ空港入島料支払い&SICGAL

2.入島ルール
 ガラパゴスでは上陸ルールが定められています。事前に旅行会社から入手して理解するか、ナチュラリストガイドの注意をよく理解してください。ビジター・サイトに上陸したら、観光客に遵守することが義務付けられています。主なルールの骨子は、「動物に触らない」「たとえ石でも移動しない」「植物や動物を持ち込まない」「ガラパゴスの自然を採集したり持ち出さない」などのことを基本に観察は自然をそのままの状態で見学して保全するように定めています。
3.ビジター・サイト
 ガラパゴス諸島では、上陸のルールと共に、上陸できるビジター・サイトが定められています。ビジター・サイト以外への上陸には国立公園局への申請と許可が必要になります。現在、諸島内には陸上に54ヶ所、海洋に64ヶ所のビジター・サイトが指定されています。これらのサイトは、使用と管理の基本的な設計基準に照らし合わせて常に見直しがなされています。自然の保護・保全のために危惧される事態が発覚したビジター・サイトには、入場の取りやめ処置を講じています。
 陸のビジターサイトでは、歩いて良いトレイル(歩行路)を木の杭で定めてあります。動物がトレイルにいる場合を除き、はみ出さないように注意してください。
4.ナチュラリスト・ガイド制度
諸島内の観光は、ナチュラリスト・ガイドと呼ばれる公認ガイドの案内がなければなりません。観光産業に従事するガイドは、国立公園局が養成し、免許を発行します。仕事は、国立公園局の職員に成り代わり、観光客への説明と監視役を勤めるほか、自然の観察レポートやビジター・サイトの変化などの報告義務も負い、広大な国立公園内のモニタリングと管理の一翼をも担うユニークな制度といえます。ライセンスは知識や能力により次の3段階に分けられています。

グレード1:
バスの運転手や艀の船頭などを行い、母国語(スペイン語)のみを話す。
グレード2:高校卒業程度の学力があり、母国語(スペイン語)以外に、一ヶ国語(英語、ドイツ語、フランス語など)が話せる。
グレード3:
大学や大学院で地理学、生物学、海洋学などを専攻して三ヶ国語以上が話せる。

ライセンスのグレード別の試験に加えて、グレードの2と3のガイドになるためには、さらにダーウィン研究所の協力による生物学の専門講習を6週間受講しなければなりません。

5.入場規制
国立公園内は、自然と生物の保護保全のために規制レベルを4段階(厳正保護区域、原始区域、探訪可能区域、特定利用区域)に分けてゾーニングしています。観光の際には、ビジター・サイトによって若干の違いはありますが、通常は一人のナチュラリストが上限16名ずつ担当して上陸します。ビジター・サイトには、トレイルと呼ばれる歩行路が定めていて、自然の生態系を壊さないように保全しています。観光時にはトレイル内の歩行が義務付けられています。

6.観光スケジュールの固定制度
諸島内で運航する20名乗り以上のクルーズ船のスケジュールは国立公園事務局の許認可制で、1年毎に更新することになっていて期間中の変更は原則的にできません。この制度は、一部のビジター・サイトに入場者が集中しないように管理ができるので自然保護に効力を発します。スケジュールは7泊8日で全島域の主要な場所を巡る1週間プログラムを毎週繰り返し運航する申請が一般的です。但し、1週間分を3泊と4泊の二つのスケジュールに分割して、中日にも観光客の入れ替えができるように工夫を施したスケジュールで申請する船会社も多く見られます。
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Photo by K.Namikata
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